寝屋川市

浅草で買った五円の南京の鉢に水漏れ 寝屋川市の杯台(灰落しに使っている)、おらんだ陀碗、南京の鉢は浅草の瓢箪池に近い道具屋にあったもので、それを買った日には、背景に修繕た十二階を使っている写真屋にはいって、皆で写真を撮ってもらったが、できたのをみると、香取さんがこしらえた鳥冠の握りのついた太い籐のすてっきを手にして構えた、作業員の黒のそふとの上に、箱庭の五重塔のような十二階がのって写ってたなどの事を四、五日前のことのように思いだすのである。作業員は、河郎の舍の主に奉る河郎の陸をし恋うる堪えかねて月影さやに月影さやにひよろと立ち出つという碧の歌のひよろに「このひよろと立ち出つはうまいなあ、」と感心してて、後日になってやうやく、〔橋の上ゆ胡瓜投ぐれば水ひびきすなわち見ゆる禿のあたま〕という歌を僕に示していた。作業員が当日示していたものに行灯の火影は嬉し青竹の箸にをすべき天ぷらもがな行灯の古き火影に隆一はを描くなり蜂屋のを盤礼彦かみの尊もをすと十束の剣置きたまいけむという歌があった。河郎之舍の印は、入谷住いの童が(仲が刻家としての号)今日は娘達の運動会を見にゆくのをたのしみにしていたが、雨でながれたものだからと言って、刻むでいたのを游帳に押してみせた、それを僕が作業員に紹介し作業員の物になった。